国際バス発着場の周りには背の高い建物がたくさん並んでいたが飲食店や雑貨屋などは皆無だったのと、何よりもあまりに警察が多くて何もしていなくても職質を受けそうだったからだ
要所要所、そして大型の交差点に2、3人ずつ配置されている他に、3人一組になって綺麗に並んで巡回する警官も何組もいた
ウルムチの人々を拉致監禁する「思想矯正の強制収容施設」の話も聞いたことがあるし、特に目的も無く歩き回るのは止めた方が良いだろう
※参考
ウルムチ
https://i.imgur.com/CFI0A70.jpg
さすがに撮れへんけど警察めっちゃおったわ
https://i.imgur.com/6R6997K.jpg
引用元: ・【写真】列車で中国横断して中央アジアまで行ってきたで!
国境行きの寝台バスは出発した
中はこんな感じや
https://i.imgur.com/r5zBYVV.jpg
2年前に往復した道なので、途中のSA的な休憩場所も見覚えがあり懐かしかった
https://i.imgur.com/2bD1tNM.jpg
ミァレスは22歳で、上海に留学して会計を学んでいるようだ
中国語やロシア語だけでなく英語も話せるらしい
ミィラおばさんはカザフスタン出身だが今はオーストラリアで教師をしているらしい
アイーダはウルムチの大学の修士課程で教授の助手をしつつ中国について学んでいるらしく、アルマトイにある実家へ一時帰国しようとしているそうだ
https://i.imgur.com/A0rSVfE.jpg
https://i.imgur.com/7WD5deg.jpg
ここで寝台バスから普通のバスに乗り換えだ
出国の許可申請が必要なので数時間待たないといけない
バスを降り、国境付近のホルガスという町の待合所でミァレスたちと話をする
https://i.imgur.com/VKphhZu.jpg
ミァレス
「兄弟!
日本のヒロシマとナガサキ、フクシマはどうなの?
危ない?
誰も住んでないの?」
おれ
「ヒロシマとナガサキは普通に人が暮らしてるし、危なくないよ
フクシマは、まだ人が住めない場所が少しあるね」
ミァレス
「日本には地震と津波があるんだよな?」
おれ
「そうそう
毎日あるわけじゃないけどね
あと日本には台風もあるよ
この前は台風で大きな街の電気が止まっちゃったんだ」
ミィラおばさん
「怖いわねぇ…!
中々旅行には行けなそうね…」
おれ
「治安は良いんですけどね…」
ミァレス
「カザフスタンには何日いるの?」
おれ
「1日だけかなぁ、トランジットだし…」
ミァレス
「1日と言わず1週間くらいいるのが良いよ!
綺麗な山に湖、見どころはいっぱいあるからさ!」
アイーダ
「私の家があるアルマトイも素敵なところよ
カザフスタンにいて何か困ったことがあったら連絡ちょうだいね」
おれ
「ありがとう!
今回は1日だけだけど、いつかゆっくり滞在してみたいな」
国ごとに人の性格をカテゴライズするというのはあまり良くないと思っているけど、カザフスタンには優しい人が比較的多そうな気がする
動物も自然もたくさんある大きな国だし、いずれ何かの冒険の舞台になるかもしれない
待合室で時間を過ごしながらそんなことを考えていると、中国人の太ったおっさんが隣に座ってきた
おっさんはただ座るだけでなく、こちらに体を擦り寄せて何やら早口の中国語で話しかけてきた
簡単な中国語で返事する
おれ
「おれ中国語わからないんだ」
するとおっさんはスマホを出して電卓アプリを開き、数字を見せてきた
1975
44
そしておれの方を指差し、「23」と入力して首をかしげてきた
年齢か
言葉通じないのにコミュニケーション取ろうとするとか、このおっさんめっちゃ積極的だな…
…ていうか近いんだけど
これは…
おれ
「29」
おれが手の指で年齢を示すと、おっさんは少し驚いた顔をしつつ、更にこちらに体重を預け、
両手の人差し指をくっつけて上下へと交互に擦り合わせるジェスチャーをして、トイレを指差した
おっさん
「行こ?」
……
いやいやいや、どうやったらそんな気持ち悪いジェスチャー思いつくんだよ!と思いつつ席を立ち、声を絞り出す
おれ
「うっ…我不要!」
なぜおれに声をかけようと思ったのか…
その後はできるだけおっさんの視界に入らないように移動しながら待ち時間を過ごし、バスに乗り込み国境へ
ちなみに、あのおっさんは…
おれの2列斜め後ろにいた…
(おっさんも同じバスだった)
香港はもちろんウイグル問題はなぁ…
ほんま闇深いし誰も手だしできひん問題なんが歯がゆいわ
ほんとすごいわ
窮屈な世界で生きてるワイには夢みたいなもんや
一生安定せずに死ぬまで旅続けるで!
普通に恋愛して彼女できることとかもあるけど、それでも結婚したいとか定住したいとかは微塵も思わんし
あちこち行って暮らしたりして、色んな世界に飛び込みながら過ごすんが幸せや
英語以外話せることやな
言葉はなぁ、旅や冒険する上で何よりも大事やと思うわ
現地の言葉が分かると分からんでは、そこで得られる体験がほんまに月とすっぽんレベルで異なるんや
植民地時代の言葉と現地語でも雲泥の差があるようやし
ワイは昔フランス語話しながらモロッコを、現地のアラビア語チュニジア方言話しながらチュニジアを野宿旅したことあるけど、
受け入れられ方とかメディアの食いつき方が全然違ったし、現地語やと現地人の話も理解できるから体験としては全く異なる圧倒的に質の高いものになったわ
現地で話されてる外国語をしっかり勉強することで、その文化圏、世界の入り口にある扉の鍵を手に入れられると思っとる
鍵があれば、ただの海外旅行って感じで外から眺めるにとどまらず、その世界の内側に入って現地の人らと一緒に楽しんだり貴重な体験を共有したりすることができるんや
期待
それは恐れ多い比較対象やが、ワイもいちおう底辺作家として辺境紀行で本書いとるし、このスレも楽しんでもらえるよう頑張るで!
日本ではあんま旅せんの?
年季入ったヨット買って日本一周ならしたで
あとは友達と登山したり、離島にサバイバルしに行ったりとかはするかなぁ
ワイは冒険がしたいし、金も無いから普通の旅行とかは基本せん感じやね
いくらやった?
すぐ海に出れる状態で30万円や!
気密な船室もあるし船の上で暮らせるで!
住む前提ならむしろ一人暮らしより安いで!
係留代も安いとこやと月数千円やし、場所によってはアジとか釣れて晩飯になるし
沈みさえしなければえぇ買い物や!
コロナ後の世界では今までみたくガンガン海外横断とかは難しいかなぁと思ったし、4月から筑大いくことにしたで
ロボ作りたい
おっさんが大学生やるってその時点で冒険やし、頑張って物理学とか勉強して冒険心や知的好奇心を満たすんや
冒険は続けとるで!
今回はバカンス(?)的な回ってだけで
ただ、この旅でも最終スレでは馬乗って雪山頂上付近の湖めざすで!!
直前にアメリカから来た登山家ペアが断念した険しい山や!
ええな
Goちゃん動物好きやからな
楽しみにしとるやで
サンガツ!
秘境感あるよな!
実際ほんまに秘境やけどもw
そして、3度ほどの荷物検査とパスポート検査を経て国境へ到着
出国時と合わせると計4回検査があったことになるけど、2回ぐらいじゃダメなんだろうか…
https://i.imgur.com/k6CA5FL.jpg
上海からキルギスへの道のりで一番難しいのはこの中国出国だ
おっさんが気になりそれどころでは無かったけど、なんとか集中しないといけない
前にキルギスで冒険した帰り、中国へ入国しようとした時は5時間拘束され、家族構成や家族の仕事などを根掘り葉掘り聞かれた
今回は出国とはいえ、香港やウルムチ人の兼ね合いであの時より審査が厳しくなっているに違いない…
出国審査をしている女性にパスポートを渡すと、3分ほどパスポートを眺めた上で女性は出国スタンプを押した
よし!めちゃくちゃスムーズだ!
…と思ったけど、そううまくはいかなかった
女性はパスポートを別の男性に渡し、その男性は「こっちへ来い」とおれに言って扉を開いて小さな部屋へと誘導した
前はロシア語と中国語のみだったけど、今回は英語で話して良いようだ
中には男が他に2人ほどいて、訝しそうな顔でこちらを見ていた
尋問が始まるらしい
男
「香港への渡航歴はあるか?」
おれ
「無い」
男
「なんでここに来た?」
おれ
「カザフスタンへ抜けるためのトランジットだ
上海から列車でウルムチまで行って、そこからバスでここまで来た」
列車の使用済みチケットを男に差し出す
男
「スマートフォンを見せろ
荷物も全部だ
カメラはあるか?」
ロック解除したスマートフォンを渡し、バックパックを開けて中のものを出して並べる
ちなみにウルムチを撮影したものや「警察」という単語の入っている動画など消されそうなものは、
全てわからないよう偽装した上でスマホの本体メモリにマイナーアプリの固有ファイルとして移動しておいた
こうしておけば、よほど高性能な専用の画像検索アプリでも端末にインストールして探さない限りは見つからないので大丈夫だ
男たちは手分けしておれのSDカードやスマホの写真を入念に確認し、SNSの友人(特にFacebookではアラブ系の友達がめちゃくちゃ多い)などについても質問した上で、おれを解放した
他の人は尋問されていなかったから、やはりおれが日本人だからだろうか
中国国外の待合所へ行くと、ミィラおばさんが立ち上がって心配そうにこちらを見てきた
ミィラおばさん
「Go!
一体何があったの?」
おれ
「特に何も
色々聞かれただけですよ」
ミィラおばさん
「そうなの…
疲れたでしょう!
これあげるから飲みなさい」
ミィラおばさんはそう言ってビールをくれた
おれ
「ありがとうございます!」
貰ったビールをグイっと飲み干して、おっさんとのやり取りをはじめとする嫌なことを忘れることにした
https://i.imgur.com/pbPfC0p.jpg
やっぱり怖い
まぁ実際危ない事も多いしな
正直慣れんうちはアフリカとか途上国とかはあまりお勧めできひんわ
馬乗るん楽しいわ
こっちやと気軽に乗れるし
野宿旅も気持ち良くて好きや
嬉しいなあ
ロシアで金出せば確かミグ29乗って成層圏に行けるっていうのがあったはずやけど今はどうなんやろ
はえー、そんなんあるんか…
でもワイは成層圏へ行く乗り物の設計からやりたいわ
ほんで可能な限りマイナス70度の世界を肌で感じたいんや
冒険家やし、1人で行きたいんや
その為に今までもこれからも頑張る所存や
途中、だだっぴろい草原や荒れ地が続き、家畜たちがたくさんいた
キルギスタンもカザフスタンも、草原や水が豊富で信じられないほど多くの動物たちが暮らす動物王国だ
※gifアニメ
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ミィラおばさん
「そういえばGo、どこでタクシー降りるの?
ホテルは?」
おれ
「あー…
無い…ですね
朝になればキルギス国境越えられるでしょうし、夜はバスターミナルで野宿を…」
ミィラおばさん
「ダメよ!
Booking.comで探して予約しないと!」
おれ
「大丈夫ですよ、こう見えて動物と色々な国で何千kmも野宿旅してますし、野宿は慣れてますから」
ミィラおばさん
「あらそうなの…
でも、大丈夫かしら…」
おばさんは一応は納得してくれたようだけど、不安そうだ
アイーダ
「あ、Go、よかったらアルマトイの私の家に来る?
実は私の甥が日本大好きなんだけど、さっき連絡したらGoに会いたいって言っていたから
私の家ならシャワーも浴びられるわよ」
おれ
「えぇ、いいんですか?
もし迷惑でないならぜひお願いします!」
そんなわけで、結局その日はアイーダの家にお邪魔することになった
https://i.imgur.com/ADKGFyj.jpg
姉と義理の兄、そして甥のロスタムがいるらしい
https://i.imgur.com/IO4woXB.jpg
ロスタムは14歳で、将来はロシア語⇔中国語の通訳になりたいとのことで勉強しているらしい
家での会話がロシア語なのに加えてウルムチに留学しているアイーダがいるのでかなり実現可能性の高い夢だろう
英語も勉強中で少し話せるようだ
ロスタム
「こんにちは!
オレ、君に会ったら聞いてみたい質問があったんだけど、いい?」
おれ
「こんにちは
いいよ、何?」
ロスタム
「日本のアニメーションは見る?」
おれ
「うん、見るよ!
ワンピースとかナルトが好き」
ロスタム
「あー、両方面白いよね!
あと東京グールも好き!
君、ナルトに似てない?」
アイーダ
「そう! 私もあなたに初めてあった時、甥が見せてきたナルトに似てると思ったの!」
おれ
「えぇ… 似てないでしょ笑」
いや似てないだろ
ロスタム
「SAO(ソードアート・オンライン) 知ってる? オレ一番好きなんだ!」
おれ
「あー、アニメ見てないな…
でもどんな話かはざっくりと知ってるよ」
ロスタム
「とにかくめちゃくちゃ美しいストーリーなんだよ!
世界観も最高でさ!」
どうやらSAOは海外でも人気があるらしい
そんなこんなでアイーダの家で久々のチャイ (こっちでは1日に何度も紅茶タイムがある) をいただき、シャワーを浴びて就寝
夕食はこんな感じ
確か羊肉かヤギ肉(この辺りでは最も一般的な肉)
https://i.imgur.com/5jxCbRB.jpg
https://i.imgur.com/0qdxIN0.jpg
遂にビシュケクへ!!
https://i.imgur.com/yGOMTwM.jpg
カザフスタンーキルギスの国境は一瞬で通過することができた
https://i.imgur.com/uhF6cSa.jpg
荷物検査すら無く、カザフスタン出国、キルギス入国共に審査は1分以内に終わった
むしろこっちが心配になるレベルで緩い審査だったけど、そのおかげでビシュケクへは昼前に到着することができた
https://i.imgur.com/KQqGZYn.jpg
ビシュケク中心地にあるショッピングモールのような場所で大手キャリアと契約
https://i.imgur.com/1DqZhMo.jpg
こちらの通信費は日本より遥かに安く、大体1ヶ月550円で4G回線 (昼間遅いとかもなく、安定して3Mbps~8Mbpsくらいは出る) 25GBまで使うことができる
ちなみに足りなくなったら6GB100円とかですぐに買うこともできる
そしてスマホをネットに繋ぐと、アイダールからメッセージが来ていた
「今日来るんだろ? 今どこ?」
ビシュケクのショッピングモールにいると返信したところ、アイダールはちょうど近くにいたようですぐに会うことができた
https://i.imgur.com/nNKsTjU.jpg
初めて会った時アイダールは19歳で、ちょうど家を出てひとり立ちし、首都ビシュケクで働き始めるというところだった
おれとトロク村との偶然や幸運が重なり生じた縁については本でも詳しく書いているから割愛するけど、
トロク村で怪我をした馬の看病をしていた時、悩んでいたおれに対し、「大丈夫だ、全てうまくいくよ!」と力強く励ましてくれた大切な友達だ
あの後も順調に働き続け、今もしっかりと家へ仕送りをして親孝行をしているらしい
https://i.imgur.com/TxZIHJM.jpg
えぇとこやで
日本に無いもんがいっぱいあるんや
そこそこ出て来るけど、これ10月の話やし草原ってか荒地かねw
青々としたんが良かったら6月のこの辺の動画見てもらった方が早いかも
前中後編で計3動画あるで
「Go! 久しぶり! 元気か?」
おれ
「久しぶり! 元気! 全部いい感じだよ」
アイダールとハグをする
2年経ち21歳になったアイダールは少しだけ顔立ちが大人びていて、あごひげを生やしていた
おれ
「仕事は順調? アイベックはどうしてるの?」
アイベックというのはアイダールの弟で、湖で馬の遊牧をしたり家で家畜たちの世話をしたりしていた、当時16歳の少年だ
アイベックは動物に関する知識や動物を扱う才能が非常に豊かで、大人顔負けの実力者だった
2年前、おれに馬の扱いについて何度か役立つアドバイスをしてくれた
https://i.imgur.com/RJdFz1W.jpg
アイダール
「順調だよ
アイベックは…あいつ働いてないし…」
おれ
「え、2年前は確か最後、コチコルにある自動車整備の専門学校に通い始めてたよな?
学校にも行ってないの?」
アイダールは「困ったもんだよ」と言わんばかりに顔をしかめて首を振った
アイダール
「今は実家にいるよ」
おれ
「へー、そうなのか
会ったらその辺聞いてみよう」
アイダール
「Goはまだ奥さんいないの?」
おれ
「いないよ、いたら冒険できなくなるし」
こちらでは20代前半を過ぎて独身だと「行き遅れの変人」という扱いをされる
村はずれの廃倉庫でオオカミとワシを飼いならして暮らしているアマンという男ですら、妻と子どもたちがいる(少なくとも2年前の段階では廃倉庫で動物たちと暮らしていた。奥さんにも廃倉庫に来るよう説得したが、失敗したらしい)
https://i.imgur.com/28wDzpJ.jpg
早く結婚して子孫繁栄するのが良いという考えで、日本で言うお見合いおばさん的な人がそこら中にいて、どんな人でも大抵20半ばになるまでには結婚できる
2年前ですら結婚の予定については数え切れないほどたくさんの人々から突っ込まれたから、今だと更にいじられまくるだろう
現実としては大変何だろうけど
廃倉庫も改造して秘密基地みたいになっとるんやで
時々友達呼んでウォッカ飲みまくっとる
ガチで男のロマン分かってるかっこえぇ友達や!
しかもオオカミもイヌワシも山で自力で捕まえてきてるからな
強すぎやでw
アイダール
「もしもし!
もっしもーし!^^」
…お? 何だそのテンション
アイダールはしばらく楽しげに話した後で電話を切り、ニコニコとしながら話を切り出した
アイダール
「女の子と会わなきゃ!
ごめん、時間なくなった!」
2年前は村で暮らす朴訥な青年という印象だったけど、この2年を首都で過ごして少し色気づいたらしく、微笑ましい
おれ
「将来の嫁さん?」
アイダール
「違う」
いや違うのかよ!
https://i.imgur.com/VGrrlzz.jpg
かくしてアイダールと別れ、おれはある目的を果たすためにショッピングモールの北側にある大きな円形の建物へと向かった
2年前馬に乗ってキルギスを回っていた時、死ぬほど行きたかったが馬の安全を優先したため行けず、キルギスでの冒険を全て終えてから急いで向かったがその時にはもう期間が終了していて行けなかった所だ
ちなみに下の写真は途中に見かけた謎の空間
デートスポットにもなってるっぽい
https://i.imgur.com/C70cUry.jpg
さて、円形の建物に近づくと、演奏隊の生演奏による楽しそうな音楽と共に、入り口がたくさんの人々で賑わっているのが見えてきた
建物の高いところには動物が印刷された横断幕があり、でかでかと「цирк」と書かれている
https://i.imgur.com/99Pe4d2.jpg
ロシア語でцирк(ツィルク)、そう、サーカスだ!!
おぉ、今日16時から公演がある!!
かくして一番高いチケットを買い、最前列でウキウキしながらサーカスを見物することになった
でんぐり返りをするクマや、不安定な足場でバランスを取ってみせる猿
※gif
途中、布面積が非常に小さいギリギリの服を着たロシア系美女による空中ブランコや、エンタメ色の強い演目で安易に人が銃殺されるような演出があったけど、これは日本国外ならではかもしれない
ラストはステージが檻で囲まれ、目の前でライオンやトラと猛獣使いによるスリル溢れるやり取りが繰り広げられた
猛獣使いの頭をライオンの口へ入れる演技など、どうやって調教したんだろうか…
※gif
※写真/動画撮影は会場スタッフの方に許可を得た上でやっています
サーカス後、夜は日本人の友人と少し高めのキルギス料理店で食事をして、その後はアイダールのシェアハウスへ行って寝させてもらうことになった
https://i.imgur.com/zdAgI8X.jpg
左がプロフっていう炊き込みご飯的な奴で、右がラグマン
ラグマンは具沢山うどんって感じで、家庭によって見た目が全然違う 洋風のスープに浸かっているものやこれみたいに焼いただけのものがある
これは具の多い焼きうどんみたいな感じかな
アイダールが住んでいるシェアハウスはシャワーや水洗トイレ、洗濯機があって、村の実家と比べるとかなりハイテクな住まいだった
家賃は1人月6千円ほどらしいので、それだけ高い家賃を払えば首都でもこれだけ整った環境で暮らすことができる
コチコルの駐車場に到着後、見覚えのある家々を眺めつつトロク村へ行く車 (乗用車ながらヒッチハイクではなく、値段が決まっていてバスのような役割を果たしている) を探す
https://i.imgur.com/eVNPM4V.jpg
確かトロク村行きの車は少なくて1日に2本くらいしか無かった気がするから、乗客が集まって出発するまでに何時間も待つことになるかもしれない
おれ
「トロク!
トロク村に行く車はあるか!」
声を上げると、フレンドリーを装う笑顔で少し年上の男が寄ってきた
…あぁこいつはダメだ
男
「トロク村か?
連れてってやる!
1000ソムでどうだ?」
おれ
「は? 何いってんだお前
100か150ソムの間違いだろ?」
おれが相場を言うと、「知ってたのか!」という顔で男は肩をすくめ、踵を返して帰っていった
その直後、別の男がおれに声をかける
男
「日本人! トロクだろ! この車で今から行くところだ!」
おれ
「いくらだ?
すごいな、おれが日本人だって見た目で分かったのか?」
男
「100ソムだ
いや、あんたのこと覚えてるんだよ
あんた、コイチュんとこの子だろ?
私もトロクに住んでるからね」
おれ
「そうそう、コイチュビットおじさんとチョルポンおばさんの家で世話になってた日本人だ」
おれがそう言うと、その男の隣りにいた若者も「知ってる!」と声を上げた
「俺も知ってるよ! あなたカルパック(キルギスの伝統的な細長い帽子。日常的に被られてもいる)被って馬乗ってソンクル湖行ったでしょ!」
おれ
「2年も前なのになんで服装まで覚えてるんだよ…
…まぁ知ってくれてるならありがたいな!
コイチュビットおじさんの家へ行きたいんだ」
https://i.imgur.com/t8d4aD8.jpg
>>2年前
道中のようす(3枚ともgifアニメ)
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https://i.imgur.com/hM8qE3L.jpg
なんか助手席が定員オーバーな気もするけど…
まぁ、動物王国だし…
https://i.imgur.com/9MV5XtC.jpg
かくしてトロク村に到着!
懐かしいアイツに会える気がして胸が高鳴る
そして、コイチュビットおじさんの家の塀の前でおれを出迎えてくれたのは…
見たことのない、黒い子犬だった
https://i.imgur.com/Y2M5b5m.jpg
【つづく】
次回はキルギスの村での暮らしと、2年前の仲間たちを探すところをやっていくわ
この話自体この書籍の話の後日譚やから、もし興味ある人は本読んでからスレ見るとスムーズかもしれん
動画やTwitterフォローもして貰えるとうれしいで
今東京では緊急事態宣言が出とるけど、>>1のカメ五郎さんとのイベントはリモートのオンライン試聴メインやから中止にはならんらしい
良かったら観てな!
それやとオンラインにしようか悩むわ
俺とカメさんは渋谷のブックカフェに集まるよ!
会場チケットの方だと直接二人ともに会える
カメ五郎さんは山奥で狩猟中のところ、下山してくれるとのこと😆
トークショーも行って生GO太郎氏お会いしたかったわ
えぇ、Twitterでもリプしてくれてえぇんやで
トークショーは出版した時とか限定で滅多にやらんから、良かったらオンラインでも観てくれると嬉しいで
また1、2ヶ月したらスレ立てるわー
コメント
カメさんとも知り合いかい