引用元: ・鉄道でヨーロッパ5カ国を一人旅してきた
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寝台列車で横になったことはある人はいるだろうか。
自分も両手で数えられるくらいしか乗ったことがないので偉そうなことは言えないのだが、
ユーロナイト、ナイトジェットに限って言えば決して寝心地はよくない。
いやむしろ悪い。
ヨーロッパの鉄道は動力分散型ではなく客車運用が多く、
日本の鉄道に比べて加減速が激しいので、横になっているだけで体が前後に揺らされる。
またカーブを通過する場合は傾斜になっていることもあり、頭もしくは脚に重力がかかってくる。
さらに、途中の駅で増連結や切り離しをするため、その衝撃が深夜2時、3時に客車に伝わってくる。変な時間に目が覚める。
とにかく揺れるのである。
自分のような乗り鉄だったらそういう不都合もアトラクションの一つとして楽しめるのだが、
鉄道の旅に理解のない人だったら揺れるわ、酔うわ、寝られんわ、狭いわ、高いわ、臭いわで不愉快極まりないと思う。
もし自分の書き込みをみて夜行寝台列車に興味を持ったという特異な人がいたとしたら、
そういう現実も踏まえて楽しんでもらえたらと思う。
583系の寝台「電車」はともかく、日本も基本寝台は客車列車、いわゆるブルートレインが主流
これらは加減速を極力行わない(夜間だからこそ可能)、増解結は基本日が出てからのダイア、を原則にしていたみたい
だからこそ機関車の運転士はそれ用の特殊なテク持ちが抜擢されていた
発進時は連結器を通してゆっくり1両1両に動きが伝わる(最後尾の客車にまで動きが伝わるのに時間がかかる)ようにして「振動と音を極力抑える」とか
この技術持ちが現JRには事実上ほとんどいないのよね(必要とされる編成がほとんどないので)
自分はお金に余裕ができた頃にはブルートレインがほぼすべて引退していたので富士・はやぶさにすら乗ったことがないんだ。
そのコンプレックスが海外鉄道に向けられてる。
サンライズ出雲しか乗ったことないワイ、低みの見物
普通に快適であまり覚えていない模様
サンライズとEN、NJの違い…といってもサンライズはシングルにしか乗ったことがないんだけど
体の向きが違うから揺れの感じ方もまた違うと思う
ヒェッ、寝台列車ガチ勢やんけ
治安が大丈夫なら海外でも乗ってみたいわね
個室には内側から鍵がかけられるから安心してほしい
個室は最大3人前利用できるけど、一人利用ももちろんできる
お金はその分かかってしまうけど…
ウィーンとザルツブルクもっといえばミュンヘンとの間にある都市で、
交通の要衝として栄えた街だ。
ただ、この街にはあまり用事がない。
ここを起点に一泊二日の観光をする。
寝台列車はこのままウィーンに向かう。
相部屋のドイツ人紳士がGood bye!と挨拶してくれた。朝6時半だというのに。
自分が起こしてしまったのかもしれない。申し訳ないと思いながら自分もGood bye! と行って別れた。
駅のコインロッカーにキャリーケースを預け、次の目的地に向かう。
こちらのコインロッカーは硬貨のみを受け付けていた。
広くて綺麗なトイレがあったりwifiがあったり、
至れり尽くせりだった。座席もおしゃれで綺麗だ。
あとで気づいたが、これが生まれて初めて海外のローカル線に乗る経験だった。
こういう風景ってスイスの専売特許だと思ってたけど、オーストリアにもあったんだ。
周りには何もない。
人も歩いていない。
ただそこには小鳥のさえずりが響き、新緑の原っぱが広がっていた。
過去、オランダの田舎のバス停にて、待っているのに無視されて追いかけて2つ先のバス停まで走って先回りした経験がある自分はしっかり手を振って「ここにいるよ!」というアピールをしてバスに乗車した。
(後ほど知ったがヨーロッパの地方では何もアピールをしなくても止まってくれるバス運転手は優しい部類にはいるそうだ)
バスからの風景。
目的はここの修道院図書館だった。
人通りは少なく、たまに自動車が通り過ぎるくらい。
10時の開場とともに目的地の図書館に入館する。
アドモント修道院図書館。
圧巻だった。こんなに美しい図書館、建築物は見たことがなかった。
これ凄い
めっちゃ綺麗
是非訪れてみてね
素敵だよ
フローラ(植物相)が違うせいか、やっぱり何かいつも見てる風景と趣が違うね
「こんなに美しい場所は、見たことがないです」
英語の例文みたいなことを口走った自分。
「そうでしょう。ここはプルンクザール(オーストリア国立図書館)を見習って作ったのだけれど私はこっちも好きだわ」
学芸員さんはそう返事をしてくれた。
無音で、ただ足音だけが室内に響く。
この場所に来れた幸せを全身で感じていた。
人込み気にせずロココを堪能する手として、この図書館は手だな…
ただしド田舎
ウィーンからでも鉄道だと日帰りできるかどうか怪しい
バスツアーやレンタカーなら行ける
他にも展示物はあったのだが時間の都合上見られなかった。
ノートルダム寺院みたいなことがなければまた来られるだろう。
バスの運転手さんが「駅は降りて左に150m行った先だからな!ヤーパン!」と教えてくれる。
ダンケシェ!と言ってバスを降りた。
>>435なんかハイジのビジュアルだ
ブラタモリでやってくれないかな?
ローマとか行ってたし
暇である。
この写真結構よくない?
ここでこの旅行最大のやらかしをしてしまう。
クレミスミュンスター駅は小さい。
山口駅より小さい。
あの丘にある教会に向かう。
https://i.imgur.com/iqAdLQ8.jpg
GoogleMapをみていただけでは気づかなかった傾斜が両足腰にくる。
”開かない…カギがかかっているようだ…”
と脳内でナレーションが入るようでちょっとテンションが上がった。
看板が出ていないのでどのドアが開放されているのか分からない。
5戸分試したところでようやく開くドアを見つけ、さらに中庭に繋がるドアを見つけた。
RPGっぽい展開だ。
ふと、横の注意書きを見ると
”係員不在時は隣の受話器を使って、下記の番号に内線してください。●●係:XXX番 ▲▲係:XXX番 …”と書いてある看板があり受話器があった。
流石に内線をかける度胸はなく、かと言ってここまできて諦める気は毛頭なく、
しばらくぶらぶらしているとインフォメーションセンターを見つけた。そこのおばちゃんに話を聞いた。
「図書室にはどうやったら行けるんですか?」
「あら、今日のガイドツアーは終わったわよ。また明日の10時にいらっしゃい」
「えーっ、そうなんですか!?」
事前の確認が足らなかった。
アルトニング駅で無駄に90分も過ごさないでよかったかもしれない。
ここまで来るのに坂を登らなくてよかったかもしれない。
今回の旅行で初めて後悔をした。
自分っていつも大事なところで詰めが甘いんだよな、と自己嫌悪に陥った。
明日は明日で予定があるので、仕方がなく撮ってきたのがこのパネルの写真である
なんかもう疲れた。
https://i.imgur.com/F7OBA0X.jpg
キャリーケースを受け取り、ホテルまで向かう。
リンツは中東系の顔つきをした人が多く見受けられた。
https://i.imgur.com/8s0gJbw.jpg
良き思い出と苦い思い出の両方に浸りながら寝た。
令和初日早々、自分という人間のダメなところを思い知った。
コミュ力や行動力あるんやろな
ワイ泣いてやっぱり外人怖いって思ってまう
コミュ力はあまりないよ。電車乗って写真撮って酒のんで寝てるだけだし。
ただもう出国したら帰りの便まで引き返せないから、
無理くり勇気出してる面は大いにある
この旅行で一番長く寝た。
昨晩は夜8時頃にビールを飲み、ふかふかのベッドで倒れるように寝た。
いくら寝台列車にロマンがあるとはいえ、快適な睡眠環境ではないことは確かなので、
蓄積した疲労を癒したいと身体が暗に悲鳴を上げていたのだろう。
朝8時過ぎに起き、バイキングのキャンプのコントを観て二度寝した。
その結果、朝食を食べそびれた。
https://i.imgur.com/wHxNDuT.jpg
リンツにはトラムやトロリーバスが走っている
https://i.imgur.com/94Lzg73.jpg
鳩の糞だらけでくしゃみがとまらない
https://i.imgur.com/TZJB8Ix.jpg
日本のバスもアプリ一つで決済できるようになったら、
いちいち先頭まで行って千円札を両替、チャージしなくて済むのに。
suica1枚で決済させてほしい。
30分ほどで目的地のSt.Florian ザンクトフロリアン(聖フロリアン) に到着。
https://i.imgur.com/3PhCKnR.jpg
ご存知の人もいるかもしれないが、ここはあの作曲家ブルックナーと非常に縁がある場所である。
といっても自分はそれほど詳しくないのだけれど。
到着と同時に修道院の鐘が鳴った。
https://i.imgur.com/0SYtfgK.jpg
しかし、よくよく考えるとそもそも教会内でワインを作ったり、
日本でもお神酒を振舞ったりすることはあったなと納得した。
https://i.imgur.com/FiBHwdz.jpg
ゆっくり丁寧な英語を話してくれて、自分の言わんとしていることを汲み取ろうとしてくれた。
今でも顔を覚えているくらい感動した。
一人で海外旅行をしていると、現地人に「お前の話す英語がワカラン」と呆れられたり、
差別的な意味を込めてバカにされたり、
また現地で出会う日本人であっても「私は外国語が流暢だからお前より偉いんだおばさん」にマウントを取られたりすることがある。
そうした経験を経て英会話コンプレックスを抱えていたのだが(上達するほど努力しない自分も愚かなのだが)、
このような真心こもった態度で接してくれる人がいるということに気づけたのはこの旅最大の収穫だった。
https://i.imgur.com/caN4XcA.jpg
これだけで外国で電車怖い乗れないって思ってしまうわ
まぁそもそも英語も話せないから質問すらできないんやけどな
「慣れ」しかないと思う。
あと期待しなければ落胆もしない。断られて当たり前と思うといいよ。
海外旅行行った程度の経験しかない自分が言うのも偉そうだけど、
日本は支払うお金に対してサービスが過剰だとつくづく思う。
宗教施設、美術館、博物館などは基本的に他国の信者や観光客を歓迎しているが、
訪れる観光客数が多すぎると安全管理上の問題に発展しかねないため、
特定の区域を公式・公認ガイドなしに観覧できない、ガイドツアー専用区域に設定している。
5日目のクレムスミュンスター教会や、2日目のストックホルム市庁舎、
そしてここザンクトフロリアン教会も図書室等をガイドツアーのみでの観覧に制限している。
一方、アドモント修道院は個人が個人のペースで館内を巡ってよい。
ガイドツアーの方がガイドさんが館内の様々な説明をしてくれるので(現地語だけでなく英語で解説してくれたり、英語のオーディオガイドがあったりする)、純粋な観光で訪れるならば是非ともガイドツアーに申し込んだ方がよい。
ただしガイドツアーが開催される時間は決まっているので、事前に公式webページを確認したり、メールで問い合わせをした方が間違いがない。簡単な英文メールが読み書きできれば、向こうも親切に教えてくれる…はず。
他は皆ドイツ語がわかる人だった。
たまたま有線イヤホンを持っていたためそれを機器に繋げて英語の解説を聞いていた。
あまりよくわからなかったが。
ザンクトフロリアン修道院図書館
https://i.imgur.com/M7c1i9t.jpg
ここは今も図書館として機能してるん?
一般の人は本には触れないけど
本棚に収蔵されている本はマジもん
なるほど、せやろなぁ
しかし本が日焼けしないか心配になる採光やな
背表紙は日焼けしても中は平気だからいいんじゃないかな?
あと写真取るとき露出は上げてるから実際より明るく撮れてる
「あの一階と二階にある隠し扉はなんですか?」
「この部屋には二階があるだろう?でも外に階段はないんだ。あそこの隠し扉を開けると奥には階段があってそれで二階の本が取りに行けるようになっているんだ」
「ほほー」
https://i.imgur.com/M596KI5.jpg
既にオーディオガイドで予習済み(?)だったので、割と簡単に理解できた。
「教会にあるステンドグラスに書かれた絵は、昔は文字が読めない平民のためにイエス様がどれほどの苦難を味わいそして民を救済してくださったのかを聖職者が解説するときに使ったんだ」とか解説してくれた。
プリンツ・オイゲンがトルコ(当時のオスマントルコ)をやっつけている様子描かれたフレスコ画が特徴的。
そういやウィーン包囲とかあったね。
聞き間違いでなければ、ここで結婚式を挙げることもできるそうだ。
https://i.imgur.com/SjIOkus.jpg
この地下に殉職者の棺桶があり、パイプオルガンの真下にはブルックナーの棺桶があった。死してなおパイプオルガンの音色を聞いていたいという願いを叶えるためだそうだ。
近くには無数の頭蓋骨などの人骨が安置されていたので写真を撮る気にはなれなかった。
https://i.imgur.com/nbmu99I.jpg
これからモーツァルトや音楽祭で有名なザルツブルクに向かう。
電車で向かうにはOBBに乗るか、westbahnに乗るの2通りの方法があった。
westbahnの方が、安いのだが、せっかくだしドレミファインバーターのOBBタウルスに乗った。
https://i.imgur.com/D0Y53m2.jpg
その運行会社の切符を購入せずに乗ると罰金が取られる。
罰金の金額は自分が噂などで聞く限り日本とは比べ物にならないほど高く容赦ないそうだ。
改札がないからといえ切符は適切に正直に買おう。
あちらでは車掌さんの検札がメインなんかね
地下鉄は改札機あり、それ以外はだいたい改札無しかな
自分の知る限り改札があったのはオランダ、イタリアの国鉄
ザルツ=塩、ブルク=砦という意味で、地下に存在する豊富な岩塩とそれを元に得られる税金で成り立ったそう。
こちらもリンツと同様にミュンヘンとウィーンの間にある交通の要衝として栄えた街。
モーツァルト生誕の地としても有名。
https://i.imgur.com/dVuPOtl.jpg
そういえばザルツブルクはサウンドオブミュージックの舞台だったか。
https://i.imgur.com/TvIMIPL.jpg
ザルツブルクはミュンヘンから1時間程度で来れることもあって、
数多くの日本人に遭遇した。
海外旅行だというのに多くの日本人がいると、”海外感”が薄れてしまい、TDLやハウステンボス、スペイン村にいるような気がしてしまう。
なるべく目を合わせないようにしていた。
(翌日はもっと多くの日本人と出くわすのだが…)
そういえばこのGW中ハワイ行きの航空券は売り切れ続出だったらしいが、
もはやハワイはハワイ県だったのではないだろうか。
https://i.imgur.com/EIRao5v.jpg
睡眠時間をしっかりとったしバスや鉄道での移動も多かったので脚はもう平気だった。
まあまあきつい傾斜。
https://i.imgur.com/s70qFZb.jpg
この川を(ザルツァハ川)から産出された岩塩を輸送していたそうだ。
https://i.imgur.com/i6EL3IK.jpg
呆気にとられ、数秒のフリーズの後、皿を持ってウェイターに「自分じゃないよ!」と言って返しに行った。
3、4人前のオードブルなんか食べられないよ。
ウェイターも事前に確認してほしい。そんなデブじゃないよ。
ザルツブルクの治安は割とよかった。
ザルツブルク中央駅
https://i.imgur.com/SYzSbVW.jpg
これはOBB-Infrastrukturっていう鉄道インフラ会社提供って意味やな
そういうことか、ありがとう。
駅構内でタバコ吸うなって言ってる会社が駅構外での喫煙の機会を提供してるのかって驚いちゃったよ
翌日は令和初めてのドイツ観光。
日本人が大好きなノイシュヴァインシュタイン城に向かう。
コメント
すごく美しい……
でも個人的にはテレビとかであまり紹介して欲しくない
観光客増えると風情が無くなるわ